生きるに意味などない99

われわれが過去の記憶とよぶものは、いまわれわれが覚えているかぎりにおいての過去である。・・・ 同様に近接未来はいま自分が問題にしうるかぎりでの未来である。子供は約束のプレゼントがいま欲しいのであり、老人は死をいま怖れている。来世も天国も、そして地獄さえも、われわれがいま知りうるもののなかにしかない。 われわれの意識の外にあるものは、過去であれ未来であれ、いずれも無である。知りうるかぎりの過去…

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生きるに意味などない98

あの世よりはこの世がよい。しかし過去よりは未来をよくしょう。こう考える多くの現代人は、なるほど合理的に見える。あるかないかがわからぬあの世の救いや喜びをあてにするより、まだ過ぎてしまったことをくよくよ考えるより、これからのこと、未来をよくしていこう、と。 たしかにこれはもっともなことだと思われる。だがこのような現代人の時間意識にはひとつの落とし穴がある。彼岸などは認めないという現代人が、この世…

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生きるに意味などない97

日本の精神を、他の国の言葉に翻訳するのは、至難の業である。 例えば、もののあはれ、という概念など・・・ それは、無というものにも、言える。 西欧の、無、とは、全くの、無である。 しかし、日本の、無、とは、全くの、無という意識ではない。 無、というものにも、影がある。 パスカルは、無限な空間の永遠の沈黙、という。 だが、日本の、無、には、永遠の沈黙もあるが、永遠の凝視…

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